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平成26年9月12日更新

東京都の新たな公会計制度による財務諸表(平成25年度決算)を公表しました

 平成18年4月、都は従来の官庁会計に複式簿記・発生主義会計の考え方を加えた新たな公会計制度を導入しました。この新公会計制度による平成25年度財務諸表を作成しましたので、お知らせします。
 この財務諸表では、都債や税収等からどれくらいの資産がつくられたのかなどが一目でわかるようになっています。また、減価償却費や金利などを含んだフルコストが明らかになっており、従来の官庁会計決算では把握できなかった有益な情報を得ることができます。
 都では、財務諸表を活用し、都民の皆様へ都の財務状況についてよりわかりやすく充実した説明を行っていくとともに、経営分析のツールとして、より効率的・効果的な行政運営に活かしてまいります。

東京都の新たな公会計制度とは

 民間企業では、通常、複式簿記・発生主義会計という手法により会計処理を行い、決算資料として財務諸表を作成するのに対し、国の各省庁や地方自治体では、単式簿記・現金主義会計という手法により会計処理を行い、単年度の現金収支のみを記載した官庁会計決算書を作成してきました。
 都では、平成10年度決算から「機能するバランスシート」という名称で、官庁会計決算を組み替える方法による財務諸表の作成を試みてきました。
 しかし、作成に時間がかかる上、個別事業ごとに作成することが難しいなどの限界がありました。
 そこで都は、平成18年4月に、従来の官庁会計に複式簿記・発生主義会計の考え方を加えた新たな公会計制度を導入しました。
 民間の会計基準に準拠しつつ行政の特質を考慮して策定した「東京都会計基準」に基づき、日々の会計処理の1件1件について複式簿記の仕訳をシステムにより行い、ほぼ自動的に財務諸表を作成できるようになりました。

東京都の一般会計財務諸表(平成25年度)

@ 貸借対照表
 貸借対照表からは、会計年度末時点で都がどれだけの資産、負債を保有しているのかがわかります。
 都の平成25年度一般会計貸借対照表では、資産が30兆973億円、負債が7兆5,148億円、正味財産が22兆5,825億円となっており、資産のうち道路や港湾などの都市機能を支える社会基盤であるインフラ資産が約半分を占めているのが特徴です。


《資産の推移》
 平成25年度の貸借対照表の流動資産の総額は、1兆3,279億円で、前年度に比べ2,179億円増加しています。また、固定資産の総額は、28兆7,694億円で、前年度に比べ15億円減少しています。
 流動資産及び固定資産をあわせた資産総額は30兆973億円で、前年度に比べ2,164億円増加しています。また、平成23年度から平成25年度までの3か年の推移をみると、一貫して増加しています。


《負債及び正味財産の推移》
 平成25年度の貸借対照表の流動負債の総額は、6,189億円で、前年度に比べ161億円増加しています。また、固定負債の総額は、6兆8,959億円で、前年度に比べ3,402億円減少しています。
 流動負債及び固定負債をあわせた負債総額は7兆5,148億円で、前年度に比べ3,241億円増加しています。
 資産総額と負債総額との差額である正味財産の総額は、22兆5,825億円で、前年度に比べ、5,405億円増加しています。


A 行政コスト計算書
 行政サービスなどの行政活動に伴い発生した費用、その財源としての収入を表したものです。従来の官庁会計ではとらえることができなかった、減価償却費や引当金繰入額などの非現金コストについても計上しています。また、行政コスト計算書の収入から費用を差し引いたものを当期収支差額として表示しています。
 都の平成25年度一般会計行政コスト計算書では、収入が5兆4,100億円、費用が4兆9,747億円で、当期収支差額が4,353億円となっています。


《収支の推移》
 平成25年度の行政コスト計算書の収入総額は5兆4,100億円となり、前年度に比べ2,134億円増加しています。また、費用総額は4兆9,747億円となり、前年度に比べ483億円減少しています。
 収入総額から費用総額を差し引いた当期収支差額は4,353億円となり、前年度に比べ2,616億円増加しています。また、平成23年度から平成25年度までの3か年の推移をみると、一貫して増加しています。


B キャッシュ・フロー計算書
 行政の活動を3つに区分し、どのような要因により現金が増減したのかを表したものです。
 第一の区分「行政サービス活動」には、経常的な行政サービスに関連する現金収支が計上されます。第二の区分「社会資本整備等投資活動」には、固定資産の取得・売却や基金の取り崩しなどにかかる現金収支が計上されます。第三の区分「財務活動」には、都債の発行収入や都債の返済額などの、外部からの資金調達やその償還に関する現金収支が計上されます。
 都の平成25年度一般会計キャッシュ・フロー計算書では、収入が6兆777億円、支出が6兆499億円で、収支差額が279億円となっています。この収支差額に、前年度からの繰越金525億円を加えた形式収支は804億円となり、翌年度に繰り越されることとなります。


C 正味財産変動計算書
 貸借対照表の正味財産がどのような要因で増減しているのかを明らかにしたものです。
 都の平成25年度一般会計正味財産変動計算書では、前期末残高は22兆420億円であり、当期末残高は22兆5,825億円で、平成25年度では5,405億円の増加となりました。主な変動要因を見ると、国庫支出金が744億円、負担金及繰入金等が90億円、受贈財産評価額が230億円、区市町村等移管相当額が△30億円、その他剰余金が4,353億円となっています。
 その他剰余金には、行政コスト計算書の当期収支差額が反映されており、社会資本の整備や都債償還等に充てられています。



※ 計数については、原則として、表示単位未満を四捨五入しています。また、端数調整をしていないため、合計等と一致しない場合があります。

今後の展開

 今後とも、職員の金利感覚やコスト意識の涵養に努めるとともに、時系列分析を深化させることにより、一層効率的・効果的な行政運営の展開を図っていきたいと考えています。また、都民の皆様によりわかりやすく充実した説明を行っていきたいと考えています。

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